待ち時間伝説を築いた巨頭の最後
北ゲート付近で同志を探すが、見当たらず、人々を熱狂させた企業パビリオンBにお別れを告げに向かう。
日立、TOYOTAの万博両巨頭。これを観覧するために
夜明け前から列をなす人
ゲート付近で徹夜で一夜を過ごす人
遠方からのハンデキャップや出遅れで涙を飲んだ人
この二つのパビリオンはのちにも語り草になり、万博を思い出すときそれぞれの人々に、特別な感情をもたらすことでしょう。
ガスパビリオンの前にはありがとうの横断幕。このパビリオンの屋上からの夜景に魅了された人も多いはず。
入場口のプレステージ前には、別れを惜しむ人々の群れ。
グループで自分たちが演じる映像を見るために、ここにも沢山の人が集い、常に長蛇の列が出来ていた。
ボクがひとりで炎天下3時間待ったのも記憶に新しい。しかし3時間待った割りに配役の関係で、少し残念な思いが残った。
顔にシールを貼るという業も誰が思いついたのか、ここに並ぶ人々が思い思いの場所にシールを貼っていたのが印象的だった。
ボクは3時間の荒行の末のちょい役に(笑)ガッカリしたいたけれど、アテンダントの人々の最後の笑顔を見て、全ての悪い思いが好転しいい思い出になった(単純)
そしてなんと言っても、多くの人に、ここを見るために万博を訪れたと言わしめ、数々の待ち時間伝説を気付いた日立グループ館の終幕の時。
最後の観覧者を見送る為に出口で2列に並び、ひとりひとりが退場してくる度に、深くお辞儀をして
「ありがとうございました」
と挨拶をするアテンダントさんの多くの瞳に、涙が光っていた。このパビリオンのアテンダントさんほど苦労した人々はないのではないかと思う。人気パビリオンゆえに様々な、トラブルがあった事は想像に易い。
でも、最後を見送るアテンダントさんの瞳は涙に彩られていたが、その表情には確実に達成感が満ち溢れていた。
日立だけではないけれど、全てのクルーの人々への感謝の気持ちが湧き上がり、涙なしでその光景を見ることは出来なかった。
もうこれでボクの役目も終わった。パトラッシュと一緒に旅立ちたい気分満載でもう一度掲示板の書き込みをチェック
あれ?とらこさんまだいた・・・・・・
北ゲートの中央ポール前で、帰り際を狙い撃ちの書き込みをする。これだけ沢山の人ゴミにも関わらず、自分より大きい人がいないことで、さっきまでの諦めモードはどこえやら、がぜん元気復活の単純な自分。
さー9時も回ってしまった。
本当に同志に会えるのだろうか?
みんなの帰り際を狙って、北ゲートで待機しよう。
そしてボクは掲示板に北ゲートにいることと、自分がゲート付近で一番の高身長であるとメッセージを残し、ひたすら周りを目で追った。
今思えば、あの時のボクは挙動不審者に違いない。
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